私がするどく短いけれど感高い声をあげてしまったとき、彼は私の唇をそっとふさいで、でもすぐに放すとオニキス色の瞳に真っ直ぐ私をうつしながら
「駄目だよ、ハル。静かにしないと・・・・・・草壁たちに聞こえちゃうよ・・・？」
彼は口の両端をあげて、面白そうにそう言うと、また私の茂みの中に隠れてある小さな頂きに唇をよせた。
嫌です！嫌、と小さな声で叫んで、両手で彼の頭を押し戻そうとしたけれど、軽々と彼は片手で私の両手を固定してしまった。
彼の体が入りこんでしまっているから、両足は閉じることは出来ない。
開かれた足を思うと、恥ずかしさでいっぱいになる。
けれど彼の情熱が含まれた熱い舌が、まるでコロコロと転がすようにソレを舐めると、私は奥から迫ってくるなにかに
だんだん追いつめられていって、唇を強く結んで、目をぎゅっとつぶって、それに堪え続けなくてはいけなくて、すぐにその使命で頭がいっぱいになる。
「ハル・・・ココ、そんなに気持ちいいんだ？」
分かっているくせに、いじわるく言う彼が今度は指で刺激を与えだすと、押し殺していた声が少しずつ漏れだしていく。
「仕方ない子だね・・・いいよ、声だしても」
耳元で彼の低い『許し』が聞こえて、軽く耳朶を噛まれても、私は夢中で頭を左右にふった。
「そう・・・でも、僕は聞きたいな」
ふいに、焦らしながら弄ぶように触れていた彼の指の動きが強く、激しくなった。
突然の鋭い刺激に堪らなく声があがる。
そうなると、もう自分の意思では押さえることが出来なくて、せめて身をよじって強い快感から逃れようとした。
でも、どうしようもなく与え続けられる愛撫に私は一気に頂点まで上り詰めてしまう。
「ひゃぁ！？やぁ！ああああああああああっ！」
部屋いっぱいに嬌声が響き渡って、足も手も、弓なりになっていた体もクタリとなって、彼は私の絶頂を認めると、やっと
指の動きを止めてくれた。
どうにか意識はつないで、はあ、はあ、はあと大きく息をついて、じんじんと切なく残る、達したあとの波が過ぎていくのを待つ。ボーと揺らめく視界の中、彼が私の目から流れおちた涙のあとをその舌で、そっと舐めて、私を見下ろしているのが見えた。
私の前髪を軽くすきあげて、左頬を手の平でつつんだまま、彼は私の下唇を彼の親指でつぅーとなぞったあと、それを決められた儀式のように、口に含ませる。
彼の指に舌を絡ませて、くちゅ、くちゅ、くちゅ、と聞こえてくる音が、もう遠い世界のもののようだ。
私の瞳にうつる彼の流れる黒髪が、切れ長の瞳が、ほっそりとした美しい首が、はだけた白いシャツが、見え隠れする
ひき締まった胸が、空が作り出す夕暮れの色彩によって、彼を染めている。
秋の空の、あのオレンジ色の雲のように、光彩は彼を染めあげる。
私は綺麗だなと思う。
これから、数分も経たないうちに太陽は沈むだろう。
そうして、今度は濃く透明な青色が広がる美しい空間で、彼は私を彼自身でいっぱいにしてくれるだろう。
指と指を絡ませて。唇と唇をかさねて。彼が私の中に入って。ひとつになって。
それを想うと、泣きたくなる。
好きなひとの全てを手に入れられる。
なんて、幸せなことなんだろう。
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1万ヒット御礼リクエスト「微裏ちっくなヒバハル」ということで、微裏ちっくにしてみたのですが、いかがだったでしょうか？
どきどき。リクエスト、ありがとうございましたｖ
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